【齋藤讓一】至って普通な僕が持っている2つの野望

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から1を生み出すことが得意な齋藤さん。学生時代、起業家として活動されていた齋藤さんが大きく影響を受けた「ある考え方」について、お伺いしました!


—先ほど、ご自身は、あくまで、超普通だということを強調されていましたが、どのくらい「普通」なのか、アピールしていただけますか?(笑)

まず、岐阜県岐阜市で生まれ、大学入るまでずっと岐阜で育ちました(笑)

—いいですね!(笑)

海外経験は旅行のみ。運動が好きで、その他、ピアノやスイミング、塾等に通っていました。遊戯王カードにめちゃくちゃはまる一方、高校受験、大学受験を考える普通の学生でしたね。あ、ちなみに、遊戯王カード未だにはまっています。あとは、ゲームの超弱いゲーマーです(笑)

norihitosaito—ありがとうございます(笑)そんな普通の学生生活を送られていたということですが、現在は、どんなお仕事をされているんですか?

外資系IT企業で、パートナーセールスという仕事をしています。パートナーさんのセールスをどう支援できるかを考える仕事です。

—齋藤さんは、大学に進学されてから、学生起業家として活動されていたとのことですが、当時の事を少し教えてほしいです。

手話×ITの会社を、先輩と立ち上げ、先輩は代表、僕は新規事業部のメンバーとして、活動していました。手話学習者と手話を母語としている方々に対して、この世の中にまだないものを、ITと絡めてサービス化をしていました。

norihitosaito—例えば?

例えば、手話オンライン辞書(SLinto)を作りました。普通だと、日本語から英語、またはその逆というように、言語同士で辞書を引くと思うのですが、僕たちは、「手話を言語でひく」グローバルなオンライン辞書を作ったんです。

通常では当たり前のオンライン辞書ですが、手話の世界ではなかったため、サービス化のプロセスも、とてもやりがいを感じました。あとは、聴覚障害者または手話学習者向けにバラエティー番組を作りました。これは2010年Good Design Awardをいただきました。

—面白い発想ですね!齋藤さんは、いつ頃から手話に興味を持ち始めたんですか?

高校生の時に、たまたま、通りすがりの美男美女が手話で会話しているのを見たんです。今まではNHKでしか見たことなかったんですが、同年代の人たちが手だけで話しているのを見て、純粋にかっこいいと思ったのが、きっかけです(笑)

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—起業されてみて、何が一番面白かったですか?

世にないものを生み出すことと活動するとそれに対してアドバイスしていただいたり、色んな人から面白い人をご紹介していただいたのが良かったし面白かったです。あと、やっぱり、世にサービスが出た時は、この上ない達成感を感じましたね。

—齋藤さんは、一貫して、ITに携わってこられたと思いますが、自分の好きなことをどう見つけましたか?まだ見つかっていない人はどうしたらいいと思いますか?

まずは、小さなことでも、機会でも、Yesと言うべきだと思います。そうすることで、機会が広がり、自分でレールを作ることができます。一旦、Yesと言うと、行動しなきゃいけなくなるし、行動した結果、何かしらのフィードバックをもらえますよね。例えば、これは5分じゃできなかった、一人じゃできなかった、お金が必要だったとか。動かずに考えているだけでは、分からないことがいっぱいあります。

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 —1つ質問です。なんでも手当たり次第、取り組んでいたら、物理的な時間が足りなくなりますよね。そういう時は、どうすればいいんでしょう?

自分でできる範囲を相手に伝えればいいと思います。例えば、イベント出席時も何時から何時まで出られる、ビジコンもリーダーは厳しいけど○○だけ手伝わせて等。

—なるほど。齋藤さんのお考えに、影響を与えている方や出来事はありますか?

大きく影響を受けた方が2人います。1人目は、中学校の陸上部のコーチで、「努力に勝る才能なし」という事を教えていただきました。才能のある人はいるけど、努力は才能を超えられるということです。2人目は、大学のひかる先生の「Yes, and」という考え方です。「No, but」=「無理、難しい」ではなく、相手をまずはYesで受け入れ、そのあとに、andで自分の意見を言うというコミュニケーション手法です。

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—齋藤さんのアイデンティティーを形成する要素は何ですか?

尊敬できる友人ですね。一人一人優秀さって違うと思うんです。僕は、自分なりのものを持っている人こそが、優秀だと思っています。例えば、早起きを毎日続けられる人、自己管理で走り続ける人、絶対靴はピカピカに磨く、サービスをマネタイズできる人、一つの言語を徹底的に極める人…。あげたらきりがありませんが、そういう周りの優秀な人々にとても刺激を受けています。

—今後の野望を、教えてほしいです!

近い将来の野望と長期の野望があります。近い将来は、僕の出身でもある、慶応義塾大学SFC生だけの会社を作りたいと思っています。なぜかというと、SFCの学生って何かしらに長けていて、モチベーションも高く、クリエイティブで、かつ行動力があるんです。

でも、残念なことに、一般企業に入社して、3年で辞めてしまう人が多いんです。その多くは、自分の夢を追って、入社したけど、夢の実現に時間がかかりすぎてしまい、自分のスキルを生かしきれてないんですね…。なので、そのスキルを存分に生かせる会社を作りたいです。

長期的なの野望は、母親の会社を大きくしたいと思っています。たくさんの人から信頼されるような会社にしたいです。ちなみに、人生で一番尊敬するのは母親です(笑)

norihitosaito<齋藤讓一/Norihito Saito>
1988年岐阜県岐阜市に生まれる。小学4年生時に人生初海外旅行でオーストラリアに行く。そこから海外を意識する。高校時代には第26回高校生クイズで岐阜県代表となり全国準決勝進出を経験する。2008年に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)に入学し、その後秋祭実行委員会代表を務め退任後、会社を設立する。大学で講演、Good Design Award受賞、プレゼンコンテストで内閣総理大臣賞受賞、ボランティア活動、など幅広く経験する。2009-2010年北京大学留学、2012年にはボストンへも留学。2013年大手外資IT会社就職し現在に至る。2014年相続診断士を取得し、母の会社の取締役になりビジネスを支援している。

photo by 吁九志

1989年生まれ。北京大学国際関係学部卒業。株式会社Selan代表。インタビューサイト "belong" を運営。